ストーリー

かつてスポーツ競技や練習走行の度に、ストップウォッチを頼りに、スタートとフィッシュの記録を追ってきた時代を振り返ると、その不正確な方法に、驚きを覚えます。いまから30年ほど前、何人かのオランダ出身のパイオニアがラジコンレースカーを使って、自動タイム計測システムを開発したのは、手動で取る記録への不信感からでした。
ストーリー

自動スポーツタイム計測システムの誕生

タイム計測の自動化

オランダのパイオニアたちは、1982年にAMBi.t.という名称で、同国ハーレム市にスポーツタイム計測ビジネスを創業しました。当時、地域のRCサーキットは、ラップタイムの計測の際、手動によるラップカウントとストップウォッチを用いていました。この事情は、他のスポーツクラブでも同様でした。そこで二人のRC愛好家が、レースタイムの記録・追跡には、もっと正確で効率が良く、ユーザーフレンドリーな方法があることを思いついたのです。

 

自動タイム計測とは

二人は、トランスポンダーを使ったタイム計測という着想に辿りつき、開発を決意しました。持てる全ての技術とスキルを注ぎ込んで、トランスポンダーをモデルカーに装着し、サーキットコースに探知ループを埋め込むことに成功しました。こうしてAMB社は、世界初のタイム自動計測システムを実現するために、必要となる全てのコンポーネントを製造していきました。

NASCAR&インディーカー

システム化という合い言葉が、モーターレースの世界でも急速に普及し始めると、NASCARやIZODインディカーといった、世界最大規模のレースシリーズが信頼できるタイム計測ソリューションを求めるようになりました。AMB社がそのパートナーとなるには、さほど時間を要しませんでした。そしてさらに多くのパートナーがそれに続きました。

 

car-racing-image-lemans

チャンピオンチップ

同じような物語は、また1993年に始まりました。ChampionChipという、別の名称の会社が、オランダのナイメーヘン市に設立されました。ChampionChip社は、大規模なランニングイベントのための、革新的なタイム計測システムを発明しました。アスリートの身体に、信号送信用チップを取り付け、またスタートとフィニッシュラインに、電磁式受信機を敷設する方式です。このシステムもまた、世界初のものでした。

100e-Boston-Marathon-1996

スムーズラン

チャンピオンチップシステムは、アスリートの世界を画期的に変え、活性化させました。選手登録のために長い行列を作ったり、多数のボランティア要員を確保する必要もなくなりました。とりわけ、何千人・何万人ものアスリートがタイムを競う、大規模なマラソン競技大会では、信頼できるタイム計測を手動で提供しなければならないストレスとも、無縁となりました。自動タイム計測が実現したことで、ランナーは絶好のスタートを切るために、もはや押し合いをする必要がなくなりました。ランナーがスタートラインを踏み出した、まさにその瞬間から、タイムが計測され始めるからです。このシステムにより、ランナーの負担が減り、オーガナイザーの職務が軽減されました。

Franfurt_1994イノベーションと開発

その後の数年間に亘り、AMB社とChampionChip社はともに、さまざまなスポーツ分野での、新しいタイム計測システムの技術革新と開発に力を注ぎました。1996年には、最初のパーソナルトランスポンダーが市場に紹介されました。画期的な技術である区間計測は、マルチループタイム計測技術の開発によって、2000年に実現しました。2003年には、オンラインサービスが開始され、イベントオーガナイザーやクラブ、サーキットオーナーは、mylaps.com において、イベントや練習走行(プラクティス)のリザルトを、公開できるようになりました。

合併

その後、AMB社とChampionChip社は、2008年に合併を決意しました。二社は共にオランダの企業であり、同業種の世界的なリーダーとして発展してきた経緯から、二社の統合によって、新ブランドMYLAPSが誕生しました。両者のテクノロジーとイノベーションの共有によって、その合併は見事に成功し、MYLAPSは、スポーツタイム計測ビジネスの世界で、トップの地位を保ち続けています。

2000万人を超えるアスリートとレーサーが利用

MYLAPSでは、スポーツ体験を可能な限り高めるサービス内容を、イベントプランニングから登録に至るまで、拡充してきました。現在、毎年2000万人を超えるアスリートやレーサーが、MYLAPSのタイム計測システムを採用した競技に参加しています。また70万人を超えるユーザーが、mylaps.comを定期的に活用して、タイムを検証し、パフォーマンスのデータやリザルトを家族や友人と共有しています。

イノベーションは終わらない

ラジコンは、今日でも創業当初と同様、MYLAPS本社において活用されています。しかしながら、娯楽のためではなく、より優れたリザルトや、より確かな精度を可能にするための、不断の探求を創業以来変わらない姿勢で続けています。スポーツとテクノロジーに対する情熱は、常にMYLAPSの企業文化です。パイオニアス精神こそ、一貫したMYLAPSの企業精神です。
世界中のスポーツイベントにおいて、ベストなタイム計測ソリューションを提供するための新しい方法を求め、日夜探索と検証、さらなる研究を続けています。MYLAPSの新しいサービスは、イベント進捗のライブ配信やソーシャルメディアとの連携にも、ご利用いただけます。

References

giro_logo_2018-e1526288635805 motogp-1-e1488367647596 indi-speedway-1-e1488370555798 motogp-1-e1488367647596 circuit-paul-ricard_square_pos_rvb